サステナブルニュース

注目のサステナビリティ関連セミナーのご紹介
2022/11/09
今日は注目のサステナビリティ関連セミナーとエキシビションを紹介させていただきます。 近未来のファッションデザイン“循環へ” Fashion Design of the Near Future - Circulation 「WWDJAPANサステナビリティ・サミット」 https://www.wwdjapan.com/s/1449316 江角泰俊さん×隈研吾さん 特別展「被覆のアナロジー-組む衣服/編む建築」 持続可能な新たな手法見いだす https://senken.co.jp/posts/kumakengo-221107 「WWDJAPAN」は私の古巣でもあるのですが、3回目となる「WWDJAPANサステナビリティ・サミット」が11月25日にリアル(会場は渋谷のトランクホテル)とオンラインで開催されます。メインスポンサーは「GUCCI(グッチ)」や「SAINT LAURENT(サンローラン)」「BALENCIAGA(バレンシアガ)」などを擁するKELING(ケリング)です。 ケリングは「ファッション協定(FASHION PACT)」の牽引企業としても知られています。2019年にフランス・ビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、エマニュエル・マクロン仏大統領(当時)が、フランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長兼CEOに協力を依頼して創設された協定では、「気候変動(Climate)」「生物多様性(Biodiversity)」「海洋保護(Oceans)」の3つを柱に、共通の実践目標が掲げられています。「ファッション協定」については、https://socialgood.earth/the-fashion-pact/を参考にしてください。 こちらは、サミットに向けたWWDJAPAN編集統括を務める、向千鶴サステナビリティ・ディレクターからのメッセージです。 サステナビリティ×ファッションに関して、年間を通じて発信しています。中でも先鋭的でグローバルな情報を集めているのが毎年冬に開催している「WWDJAPANサステナビリティ・サミット」です。初のリアル開催となる今年は規模を広げ、“コネクション”に注力。これまでオンラインを通じてビジョンを共有してきた方が集まり、コミュニケーションする場を創出します。テーマは「近未来のファッションデザイン 循環へ」。サステナビリティを語ることは未来を語ること。そしてサステナビリティを考えることは、発想の転換や新しい物の見方を手に入れることでもあります。ファッションを通じて表現できるこれからの豊かさって何だろう?その仕組みはどう作ったらよいのだろう?そんなポジティブな議論を、国や世代や業種を超えて交します。皆様のこれからに役立つヒントをここから受け取ってください。 登壇するスピーカーは、 ・岩木久剛/マッシュホールディングス業務管理部部長 兼 マッシュスタイルラボ 執行役員 生産管理本部本部長 ・ジェラルディン・ヴァレジョ)GERALDINE VALLEJO)/ケリング サステナビリティ・プログラムディレクター ・大塚信二/三越伊勢丹 営業本部 オンラインストアグループ デジタル事業運営部 アイムグリーン マネージャー ・岡野 隆宏/環境省「ファッションと環境」タスクフォースリーダー ・嵜本晋輔/バリュエンスグループ CEO兼 バリュエンスホールディングス社長(元Jリーガー) ・篠原ともえ/デザイナー、アーティスト ・下田 祥朗/伊藤忠商事繊維原料課長(服から服への循環型「RENU」プロジェクトや、繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion」を推進) ・水野大二郎/京都工芸繊維大学 未来デザイン・工学機構 教授、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特別招聘教授 ・東憲児/スパイバー経営企画室ヘッド・オブ・ビジネス・ディベロップメント&サステナビリティ兼執行役員と、注目の企業やプロジェクトがずらりと並んでいます。しかも、参加無料(リアルの参加者は定員を超えた場合は抽選、オンラインは全員可)ですので、ぜひ登録してみてください。 一方の【江角泰俊さん×隈研吾さん 特別展「被覆のアナロジー-組む衣服/編む建築」 持続可能な新たな手法見いだす】では、日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働運営する学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」で11月5日から来年4月2日まで開かれる「被覆のアナロジー―組む衣服/編む建築」を紹介しています。 ファッションデザイナーの江角泰俊さんは、ロンドンのセントラルセントマーティンズ美術学校を卒業した後、「Alexander Mcqueen(アレキサンダーマックイーン)」などのコレクションブランドでキャリアを積み、「Aquascutum London(アクアスキュータム・ロンドン)」のニットデザイナーも務めた実力派デザイナーです。建築家の隈研吾さんは、言わずと知れた大御所ですが、木材をふんだんに取り入れた国立競技場で見せた「SDGs建築」の第一人者としてもさらに注目を集めています。 そんな2人が協業して、「衣服と建築の要素を相互に生かすアプローチによって、持続可能な新しいデザイン手法を見いだした」と言います。 「インターメディアテク」の公式HP http://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0256には、「身体感覚を中心に据えた価値観に立ち戻る動き」「ブラックボックス化した複雑なデザイン・生産のプロセスを、編む・組むといったプリミティブな手法によって透明化し開放する」「透明性の確保による副産物として、生産から流通、消費、廃棄、再生産といった循環型プロセスによる持続可能性の担保が可能となる」「衣服と建築に類似する構造的・組織的な成り立ちに着目し、生産技術の発展による自由度の向上、環境負荷に配慮した自然素材の利用、再生繊維や材料のリユースなど、有機的に統合された新しいデザイン手法を提示しようとする試みである」とあります。ちなみに、スタイレム瀧定大阪、ユニコ、モリリン、ワークスタジオ、七彩なども協力しています。未来の循環型デザインのあり方について、多くのインスピレーションを与えてくれそうな予感がしています。 ファッションビジネスジャーナリスト 松下 久美