サステナブルニュース

「WWD」注目の最新サステナ特集は「売り場から始めるサステナビリティ実践例26」
2023/06/08
「WWDジャパン」5月29号表紙(左)と「WWDビューティ」付録

ファッション&ビューティ関連のビジネスやクリエイションを扱う専門メディア「WWDジャパン」は年に何度か、サステナビリティ特集を行います。毎回、「循環型」や「素材」などテーマに沿って最新事情や課題などをまとめているのですが、5月29日号のテーマは「店頭」でした。 https://www.wwdjapan.com/articles/1565281 サステナビリティ×ファッションの話題は素材開発から店頭へと移りつつあるとしたうえで、「売り場から始めるサステナビリティ実践例26」をタイトルに掲げています。うめだ阪急本店にアウトドア×ラグジュアリー×サステナビリティをキーワードにした話題の売り場「グリーンエイジ」や、アダストリアが創業の地である水戸で子会社アドアーリンクを通じて展開する「オフストア」、そして、“ブランドが生まれた時からエシカル&サステナブル”な無印良品がサステナビリティを意識し地域コミュニティーや地域生産者との協働を推進する京都山科などの注目ショップを紹介しています。 表紙に起用したのは、うめだ阪急本店の「グリーンエイジ」に、ブランド世界初となるカフェ併設型のコンセプトストアをオープンした、デザイナーのステラ・マッカートニーです。ストアのコンセプトや、ステラマッカートニーが目指す世界と矛盾、注目する技術(売場から始めるサステナブル実践例)等、独占インタビューは読み甲斐があります。 販売員に対する大規模アンケート調査も実施しており、973人から寄せられた、店頭と本社の意識格差や、お客さまとダイレクトに接する販売員だからこそ感じる顧客意識などがまとめられています。サステナ先進ブランドとして知られる「H&M」による「本社と売り場との情報共有のコツ」にも学びがあります。 さらに、付録として、「WWDBEAUTY」による「Z世代と考える化粧品業界のサステナビリティ」も付いてきます。主に「カーボンニュートラル」「ダイバーシティ&インクルージョン」「パッケージ」「価格の壁」「容器回収」の5つの事例を中心に、化粧品業界のサステナビリティの最新の取り組みなどを紹介しています。とくに1社では完結できない「容器回収」に挑む花王の取り組みには注目です。 付録の巻頭を飾ったのは、俳優の二階堂ふみさんです。そのインタビューからは、環境問題や動物愛護などに対する関心の高さや覚悟などが伝わってくるもので、彼女の新しい一面を発見できるはずです。他にも、Z世代は本当にサステナビリティや社会的課題への関心が高いのか、約100人に意識調査を行ったり、Z世代の専門家であり、SDGsのプロジェクトなども行っている「シブヤ109 ラボ」の長田麻衣所長へのインタビューも実施しています。 これらの5月29日号にまつわる記事はウェブでも紹介されていますので、参考にしてみてください。 「パタゴニア」や「アルマーニ」から学ぶ循環型の店舗設計とは? サステナアクション事例集vol.1【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1566738 進む梱包材の脱プラ サステナアクション事例集vol.2【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1567333 阪急うめだ本店新ゾーン「グリーンエイジ」は店頭事例の宝庫 “人と自然の共生”の訴求法【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1567447 「無印良品」京都山科に見る地域密着型循環店舗のつくり方【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1563036 973人の販売員が回答 3割が“本社からの情報は不十分”【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1566680 サステナ先行企業H&Mに聞く、販売スタッフとの情報共有の方法【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1566053 ステラ・マッカートニーが目指す世界と矛盾、注目する技術【売り場から始めるサステナ実践例】 https://www.wwdjapan.com/articles/1563037 ちなみに、4年ぶりの来日となったステラ・マッカートニーは、滞在中に、東京藝術大学で特別講義を行いました。モデレーターを務めたのは、同大美術学部デザイン科准教授でもあるアーティストのスプツニ子!です。ステラはアーティストの奈良美智さんと「チェンジ・ザ・ヒストリー」をスローガンにしたコラボレーションも行っています。スプツニ子!との対話の中で、ファッション業界の常識を疑いチャレンジすることの重要性や、学生はファッションの未来であり希望だということ、注目素材や、動物福祉などについても語っています。 ステラの両親(ポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニー)の大ファンだという学生から、「彼らの音楽も愛がテーマでしたが、ステラさんの愛に対する考え方を教えてください」という質問に対して、「愛は私の大きなテーマです。以前お客さんが『あなたの作る服が好きな理由は、愛を感じられるから』と言ってくれました。こんなことを言うのもなんですが、“ALL YOU NEED IS LOVE”ですよね。特に現代において、ファッションを通じて物語を伝える重要性が高まっていると思います」と答えたシーンも印象的でした。 この講義の様子も、「WWD」の「ステラ・マッカートニーが藝大で特別講義 歴史を変える当事者にと学生にエール」の記事から読むことができます。 https://www.wwdjapan.com/articles/1568177 有料記事が多いのですが、ヒントや気付きが満載な「WWDジャパン」のサステナ特集やステラのインタビューを通じて、サステナビリティを自分事としてとらえてアクションに移すきっかけにしていただければ幸いです。