サステナブルニュース

ファッション未来研究会について
2022/12/26
今回は、ファッション業界におけるサステナビリティの重要性の高まりや、テクノロジーの進化などに対して、どのように変革を進めていくのか、現状や未来のあり方について、有識者34人が多角的に議論を行った「これからのファッションを考える研究会~ファッション未来研究会~」(主催:経済産業省)の報告書と、それにまつわる記事を紹介します。 >経済産産業省「ファッションの未来に関する報告書」 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/fashion_future/index.html >「着る」を楽しみながら循環型の未来へ デジタル×サスティナビリティ×創造性 https://fq.yahoo.co.jp/fashion/4.html >「循環型社会へのシフトに必要なこと」 サーキュラーデザインの第一人者の水野大二郎氏に聞く https://www.wwdjapan.com/articles/1314112 「ファッション未来研究会」の座長を務めたのは、研究者の水野大二郎さん、副座長は、編集者の軍地彩弓さんと、ローランド・ベルガーのパートナーの福田稔さんでした。「ユニクロ」のファーストリテイリングやアダストリア、ZOZO、「ヨウジヤマモト」や日本のアパレルとして初めてB-Coep認証を取得した「CFCL」、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパンのノルベール・ルレ社長や、ユナイテッドアローズの栗野宏文上級顧問、スパイバーやクチュールデジタルのCEOなど、業界を代表する企業やクリエイターなどがテーマに沿ってプレゼンテーションや意見交換を行いました(ちなみに私も有識者として会議に参加させていただきました)。報告書には、その議論などに加え、衣料品やサステナビリティ関連のデータなども収集されているので、レポートなどの制作時にも参考になるはずなので、ぜひご活用いただければと思います。 報告書は分量が膨大なので、まずはこちらの【「着る」を楽しみながら循環型の未来へ デジタル×サスティナビリティ×創造性】で、座長の水野さんと副座長の軍地さんが語った、研究会の焦点や、ファッションの現状や未来について語ったインタビュー記事を読んでおくと、端的に理解が深まると思います。 ・過去から現在までのファッションの変化 ・ファッション産業のDX化が遅れた理由 ・サステナビリティやファッションの創造性に貢献できる技術 ・サステナビリティとコストとのジレンマ ・フランスの「循環型経済のための廃棄物対策法」(通称:AGEC法)で売れ残り衣服の廃棄 ・製品に対する付加価値創出の重要性 ・循環型社会の未来 などについて語られています。 研究会の座長を務めた水野さんは、英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士・博士課程(ファッションデザイン)を修了し、慶應義塾大学SFCでファッション教育・研究を行った後、現在は京都工芸繊維大学特任教授、慶應義塾大学大学院特別招聘教として活躍している、ファッションの循環型研究の第一人者です。 著書「サステナブル・ファッション」(学芸出版社)に続き、今年2月には、“サーキュラーデザイン”や“新しい物質循環”とは何かを知るためのガイド本「サーキュラーデザイン 持続可能な社会をつくる製品・サービス・ビジネス」(学芸出版社)」を上梓しました。サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するためのデザインや、その考え方を理解するのに最適な1冊です。まずは【「循環型社会へのシフトに必要なこと」 サーキュラーデザインの第一人者の水野大二郎氏に聞く】でその要点に触れてみてください。 ファッションビジネスジャーナリスト 松下久美